ユニカイエ

テオリア(観想)/小椋佳

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 おやじくさくて青くさい。そんな印象の小椋佳さんだが、実は私ひるますは高校時代アルバムを買いまくっていた。このアルバムは94年ということで中興期の小椋佳という感じでしようか。ちょうど銀行員やめて哲学科の学生になるなんて言ってたころなのだろう、アテネの哲学者たちのことやら、世間の人々とは違う道を歩いていく自分へのナルシスティックな思い入れが唄われている。というと、つまらなそうだが、これが実にここちよく、聞いていてあきない。ユニでもけっこうかかる確率が高いのだった。やはり小椋佳のどうにも普通ではない(謡曲から由来する)歌唱法と、それをとてもポップにまとめあげている周りのスタッフのなせる技なのだろう。また歌詞の内容も単純な青春時代のものではなく、非常に深みをもっている。「流されはしなかった」はとくに最高。「グッバイアメリカ」は戦後文化の象徴としてのアメリカに決別を告げるという内容で、歌唱法がネイティブアメリカンっぽいのがすごい。理屈では思いついても、実際にはなかなかできないでしょう。9.11のはるか以前にこういう歌を唄ってたんだと今さらながら感心してしまう。



2005年02月05日 11:33 by unicahier | コメント (0) | トラックバック (0)  

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