ユニカイエ

平野 真(ひらの まこと)の巻

 ひるますHOTLINEは、インタビューや雑談をお届けするひるますの気まぐれコーナー。第3回は、このたび雑誌『企業と人材』に「元気がでるアメリカン・チームワーク」という記事を発表した「平野真」さんを紹介します。
 平野さんと直接知り合ったのは実は最近なんですが、以前から人を介してウワサもちらほらと聞いておりました。MBA(経営学修士)の資格をもっていらっしゃって、MBAについての論文(記事)やエッセイを発表したいと言うことだった。それが今回実現したわけだけど、みなさんは『企業と人材』とか、MBAとか聞いてもちょっと別 の世界というか、関係ないや〜などと思われるかもしれない。僕もビジネスエッセイか〜くらいにしか思ってなかった。よく巷にはあるでしょ、MBAがど〜したこ〜したという本。ユニという「会社」をやってるオレがそんなこと言うのもまずいのだが(笑)。ところが、この雑誌に発表する前に、平野さんがユニに遊びにきてくれて、いろいろ話をうかがうと、これが面 白い、というか、すごく我々にもカンケー深い話しなのだ。

 平野さんの書くものは、MBAについてのエッセイといっても資格の取り方がどうとかいうのではなくて、実際にアメリカのビジネスの現場での体験、それを学ぶアメリカの大学院での教育の体験などを中心に語っているので、それだけでも面 白いのだが、それが面白いのは、単にそれがモノ珍しいからということではない。なんというか、それはとても大切な「文化」ってものを語ってるのだ。
 例えば今回発表になった「アメリカンチームワーク」の話(例えばというのは、今後シリーズ化される予定があるから)。アメリカというと「個人主義」の国、というイメージがあり、チームワークを大切にするのはむしろ「日本」ではないか、という印象がある。しかし、平野さんが体験し、報告している「アメリカのチームワーク」というのは、日本でイメージするのとはかなり違う。アメリカのビジネスで大切なチームワークというのは、個人がそれぞれに自分の持ち味、得意分野での能力を発揮して、全体としていいものをつくり出していこうということ。ひるがえって考えれば、日本人のチームワークというのは、それぞれが個性を発揮するのではなくて、むしろ「みんなが同じことをすること」なのだというニュアンスの方が近い。上司と部下という「違い」だけがあって、「部下」はみんな平等に同じ作業する、残業するならみんな一緒とか(笑)。
 そういう風に聞くと、個性を大切にして、それが連動するようにするってことこそ、チームワークであって、みんな一緒なんてチームワークじゃないじゃないかって風に(頭では)思えると思うんだけど、実際に仕事したり、サークルでもボランティアでもいいけど、なんか一緒に作業したりしてみると、そうはならないのが現実(日本の現実)ってもんじゃないだろ〜か。ついついみんな「一緒」をめざしている。それで「一緒」じゃない人を排除したりいじめてみたり? よ〜するに、日本人の身にしみてしまった「文化」なんでしょうか。このへん、阿部謹也さんなどが問題にしている「世間」の問題とも共通 するところです。というと手前味噌になるが、ユニでは今「日本世間学会」の事務局を引き受けていて、11月には大会を開催。このもようは次回の通 信でお知らせしますね。
 そんなわけで、自分達の育ってきた「文化」にがんじがらめになっている僕らに、現実の中で、どういうふうにしたらそれを変えていくことができるか?というヒントが、平野さんのエッセイにはある。それが平野さんのよく使う「マナー」という言い方に表れている。マナーというと、日本では単に「礼儀作法」って感じだけど、そうではなくて、背景としての「文化」を現実の中でどう実現するか、という「智恵」がマナーなのだ、と平野さんの文章を読んでいるとつくづく思う。
 平野さんは、今回、ビジネスを通して「アメリカ」の文化を紹介しているわけだが、「なんでもかんでもアメリカがいいというわけではない」ともいう。差別 や貧困の問題など、アメリカという国の中に二つの国があるといっていいくらいの異質なものをかかえこんでいるのがアメリカという国だともいう。しかし、それでもその「良い」ところを認め、取り入れようという気をおこさなければ、なにも始らない。つまり平野さんは、アメリカという国の文化、というより、普遍的な文化的価値を目ざしているわけだが、それを言葉にすれば「民主主義」ということになる。というところが、実は僕もまったく共感するところ(「民主主義とは何か」というマンガも書いたくらいだ)。ようするに「民主主義」ってのは、単なる政治的制度なのではなくて、個人の自立と他者への配慮を成熟の域で調和させる文化のあり方だってことなのだ。
 それにしても平野さんは、実はアメリカでそういう文化にふれてカルチャーショックを受けたのでは全然なくて、むしろそれが自分には「しっくりとする」ということから、それまで自分が持っていた日本の文化に対する違和感を、結果 的には明確にすることになったのだ、というところがまた面白い。そこらへんを聞いていくと、平野さん自身が受けてきた教育や、自分の家族との教育での体験など、「教育」という面 白い話題になっていく。このへん、平野氏自身もすでに雑誌に発表したり、これからまた書き下ろしていくということなので、あらためて御紹介していきたいと思ってます。
 まずは、『企業と人材』をぜひご覧下さい!!
image
image
『企業と人材』 2003年11月5日号
(産労総合研究所)


2003年11月05日 14:04 by hirumas | トラックバック (0)

この記事のトラックバックURL:http://www.unicahier.sakura.ne.jp/uni/mt-tb.cgi/439


Copyright (C) 2003-2007 unicahier. All Rights Reserved.