ユニカイエ

ユニのお仕事うら話〜DVDの巻

ひるますHOTLINEは、インタビュー中心の雑談コーナーのつもりでしたが、今回は趣向をかえて〈おいおいまだ2回目だが…〉ユニのお仕事うら話をお送りします。いや、いろいろインタビューしたんすけどね、なんかまだ進行途中ってかんじで、発表できないんすよ〜〈森×3さんのモノマネで、笑〉
 で、今回はアーカイブでも紹介しているDVDのジャケットデザイン。ヒッチコック、オーソンウェルズなど映画ファンならずとも一度は名前をきいたことのある作品がズラ〜リと並ぶ、ものずごいラインナップ。こりゃやりがいのある仕事っすよね。基本的には僕は全体の監修ってかんじで、細かいデザイン・写 真加工・色調・書体などはKAOさんの抜群のセンスでまとめられております。作業としては、まずDVDで作品を見る(笑)という楽しい作業。そして作品のイメージを伝えるカバーをデザインしていくわけですけど、実は支給される資料ってのが、海外版のDVDだけなんです。もちろん日本語字幕なし。そりゃこれから日本語版つくるわけだから、ついてるハズもないんだけど、とりあえず英語もわからないのにこれをバーッと見るわけですね。まあ、すでに発売されてるビデオとかを見るというテもあるんだけど。ところが、これ、ネットなんかで「あらすじ」読んでるせいもあるんだけど、ほとんど意味は分かってしまいますね。やっぱ「映画」って、「映像で語っちゃってる」せいでしょうか。すごいもんだな〜とあらためて感心したり。そんな映画を見るとこっちもついついキアイはいって、まけられん(笑)とか思って、がんばれるというもんです。そんな次第で、完成したデザインの仕上がりはアーカイブを見てもらうとして、ここでは私の書いたラフなデザイン下絵をご覧戴きましょう。

 まずは、 ヒッチコック。今回は4タイトル。僕もヒッチはけっこう見てたつもりだったんだけど、今回のはすべて未見。「レベッカ」は以前テレビで見かけたけど、途中で寝てしまった。ラストはおやしきが炎上するシーンで、それが記憶にあるな〜。今回見てみると、やはりこのクライマックスは外せないってことで、それをドーンとメインにもってきてみました。左上が主役のレベッカ、といいたいとこですが、この映画、レベッカって出てきません(笑)。ただの主役の女で、面 白いことに、この人「役名」がないんです。今回、わたくし、ヒッチコックについては「解説」も書いてまして〈ライターかい?〉、あらすじまとめるために、何度も見直してたんだけど、ど〜してもこの人、名前よばれてません。「おい」とか「奥様」とかしか声をかけられてない。う〜ん、どうなってんの?と思って、ネットで調べたら、あんのじょう、役名のない役だと書いてあるサイトがありました。ありがとやんす。「レベッカ」ってのは、この彼女が結婚するダンナさんの元妻の名前なんだけど、その「元妻」がすでに死んでいるのに、その「影」に大邸宅の人々が翻弄されているってのがストーリーの主軸になってる。この主人公もそのレベッカの影でしかないってのが、名前無しに象徴されてるのでしょうか。右上はそのやしきを取り仕切ってる「家政婦長」みたいな人。新しい奥さんが来ても、私の御主人様は「レベッカ様だけなのよ」って感じで主人公の女につらく当たるのですね。やしきのダンナは大スターのローレンス・オリビエなんですけど、ここでは炎の前の影だけになっちゃってます。だってなんかあんまり見せ場もなくて、影うすいんだもんな。すいません〜(笑)
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 つづいてはやはり ヒッチコックの「ローブ」。これはかなりに「実験」的な作品です。なんたって、全シーンが「ワンカット」。厳密にはずっこい手を使って(笑)ごまかしてるんだけど、基本的にはカメラが途切れることなく、さいしょから最後までひとつのシーンとして撮ってるのだす。やっぱロープってことを強調してロープをにぎった手をど〜んと出してみました。実はこの作品については、私、見てないでラフ書いたんだけど、いったいこんなロープ手でにぎったシーンなんてあるのかよ?(笑)と。実際はあったので、うまく行きましたっていうか、KAOさんにうまく仕上げてもらいました。下にならんだ3人が主役で、まん中は「裏窓」とかにも出てるジェームス・スチュアートくん。重要な役なんだけど、はっきり言うとあんまし出てません(笑)。ジェームスくんをはさんだ二人が殺人犯で、なんでも優れた人間は人を殺していいんだという「思想」に基づいて殺人をおかすのだとか。ドストエフスキーみたいな話だが、実話なんだそ〜な。そんなこともあったんですね〜。
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 もう一本 ヒッチコック。「疑惑の影」。これはありきたりですが、影ってことで、シャドウをつかってみました。親戚 のおじさんが田舎町にやってきて、たいくつしてた少女がはしゃいでると、だんだんそのおじさんが殺人犯かもしれない…ということが明らかになってきて怖い目にあう、というサスペンス。影の下地背景に、そのおじさんがからんだかもしれない「事件」を伝える新聞記事をしいてみました〈女の子が図書館で発見する〉。左下にその女の子の恐怖におびえる表情。右下には完成品をみていただくと分かるのですが、黒い煙をはいた蒸気機関車の画像がかさなってます。これは「おじさん」が蒸気機関車でこの町にやってくるシーンで、この黒煙がこれからの疑惑や恐怖を象徴してる感じがよいので、ワンポイントに配置してみました。色あいと新聞記事の素材感がよく出ていて好きなデザインであります。
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 ヒッチコック以外の作品からは、「グランドホテル」。主要登場人物をホテルのロビーを上からみた背景をかこむように並べてみました。解説でもふれてますが、この映画、いわゆる「グランドホテル形式」という名前の由来になった作品。ひとつの場所にいろいろな人々集まり、それぞれのストーリーが平行して描かれるってやつですね。後の「タワーリングインフェルノ」とか「エアポート75」なんかのパニック映画がぜんぶこの手法でした。しかしこの「グランドホテル」そのものは、けっこう話に一本筋がとおっていて、あまり「群像モノ」って感じがしないのは私だけだろ〜か。主演のひとり、グレタ・ガルボは名前は伝説的って感じだけど、そんなに魅力的かな〜という感じ。しかし主演男優の怪盗ピエロ〈勝手に命名、笑〉がひょうひょうとした演技をしていて、面 白かったっす。
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 なお、今回掲載の下絵はユニ通信用にフォトショで着色したものです(実際のものは白黒)。


2003年10月05日 14:08 by hirumas | トラックバック (0)

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